猫が危ない

庭の花に水をやりに行こうとしたら

近所の子供たちが集団で話しかけてきた。

「お花好き?」「猫好き?」

どちらにも「うん」と答えた。

 

庭に行ってみると植木鉢が倒れて

花がばらばらに散らばっていた。

しゃがみこみ、しばらく呆然と

眺めていた。

 

子供たちは口々に「猫がやった」という。

手にはバット、ボールを持ちながら。

「野良猫をやっつけてやる」

 

騒ぎを聞きつけて親が顔を出し、

「いつもうるさくてすみません」

「早く家に戻りなさい」

 

そんなことはどうでもいい。

今度は猫が危ない。